中小企業診断士の実務補習を受けて

中小企業診断士の二次試験に合格したので、早速1回目の実務補習を受講。人生初となる診断先は大崎市岩出山の飲食店。岩出山は葛西・大崎一揆の後に伊達政宗が転封された土地として有名で、1601年に仙台城が完成するまでは岩出山城が伊達政宗の居城であった。個人的には就活のときにリクルーターの名前と勘違いした思い出深い土地である。また、家業である飲食店の店舗運営管理ということで、なかなか運命的なものを感じる実務補習であった。

今回受講したのは5日間コースであるが、自習期間を含めると実質的には2週間程度の研修となった。しかし、診断先に関する事前の情報収集に始まり、経営者へのヒアリング、グループワーク、報告書の作成、経営者への報告をわずか2週間でこなすのは結構なハードスケジュールであった。仕事から帰って徹夜で報告書を作成して、そのまま翌日の仕事に行ったときは流石に倒れるかと思った。連日徹夜で小説を書いている詩羽先輩の凄まじさを実感した瞬間であった。

結果としては納得のいく報告書は仕上がらなかった。実務補習の報告書としては及第点を貰うことができたようであるが、非常にもやもやしている。もやもやの原因は判明していて、定量的な分析がほとんど出来ていないことにある。グループワークは曖昧な議論に終始し、事業改善に向けて提言した施策はいずれも「経験的に考えて効果がありそうだ」くらいのレベルでしかない。相当な経験を持った人物でない限り、定量的な分析が不十分な状態で自信を持って議論することは難しい。時間が不足していたので仕方がなかったとは思うが、本当にこれで良いのかという疑問を抱えながらの作業はすっきりしないものであった。

そもそも経営学はディシプリンを持たない学問である。経済学のように理論に基づいて発達してきた学問と違い、議論が曖昧になりやすいのは仕方がないとも言える。経営学は地理学と同じ領域学に区分される学問であり、地理学が地域を対象とするように、経営学は企業を対象として多面的なアプローチを試みる。学問の基盤となる理論がなく、ケースに応じて実践的な議論が展開されることになる。地理学に惹かれたのも、経営学に惹かれたのも、その実践的な部分に面白さを感じたからに違いないのだが、理論的な根拠を持たないことには漠然とした不安を感じていた。進学か就職か迷った時期があった。理論的な知識やスキルを習得したいなら進学、実践的な知識やスキルを習得したいなら就職を選ぶことになる。しかし、果たして大学院で地理学を勉強して得られるものはあるのか。この不安を払拭することができず、長年の夢であった研究者になることを諦めてしまった。それでも理論を大事にしたい気持ちは今でも残っているらしい。

今回はSWOT分析を中心にグループで事業改善の方向性を決めていったが、例えば外部環境については経済学的手法を用いた分析が可能であるし、内部環境についても財務分析にもっと目を向けて良かったように思う。また、全体的に統計の扱いが雑だった。まずは価値のある統計データを収集することから始め、分析方法もケースに応じて変えていく必要がある。最終的には経営戦略と財務戦略の整合性についても十分に検証しなければならない。次回の実務補習までに定量的な分析の手法について勉強したいと思う。

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