ゲーマーズ!錯綜関係の本質と亜玖璃エンドの可能性

アニメの評判も上々の本作。直近の6話では原作2巻「不意打ちハッピーエンド」のラストまで進行し、言い間違えとはいえ雨野と天道さんのカップルが成立。これで錯綜関係も一件落着かと思いきや、ここからさらに錯綜させていくのが葵せきなの真骨頂。雨野×天道、上原×亜玖璃という両想いのカップルが既に成立しているにも関わらず、何故か恋人への浮気疑惑は以前より深まっていく。特に天道さんと千秋とのW浮気疑惑をかけられている上原の状況が酷いことになっており、雨野と関わってから亜玖璃との関係は拗れるばかり。そして学園のアイドルである天道さんは雨野と付き合うことでポンコツ化に拍車がかかっていく。

原作未読者にはネタバレになるが、3巻「初恋ニューゲーム」では雨野の正体に気付いた千秋が本格的に錯綜関係に参戦したことで状況は混迷。4巻「無自覚クリティカル」で雨野×亜玖璃の疑惑が真実味を帯び始め、5巻「全滅ゲームオーバー」の雨野×亜玖璃キス未遂で疑惑はピークに達する。6巻「告白チェインコンボ」では雨野→天道さんへの再告白で錯綜関係が一時的に解消されるが、千秋→雨野への告白で錯綜関係が再開。7巻「口づけデッドエンド」では千秋に敗北感を覚えた天道さんが雨野に別れを告げ、同様に雨野に敗北感を覚えた上原も亜玖璃に別れを告げる。8巻「逆転バックアタック」でも雨野×天道、上原×亜玖璃の両想い関係は継続しているが、雨野が千秋への恋愛感情を自覚したことで、天道×雨野×千秋の三角関係がついに顕在化してしまう。

登場人物全員が浮気疑惑をかけられており、さらに疑惑の一部が疑惑ではなくなるという複雑な展開。ただし、この錯綜関係は本質的には2組の三角関係に整理できると思う。それは雨野を中心とした天道×雨野×千秋の三角関係、亜玖璃を中心とした雨野×亜玖璃×上原の三角関係である。この2組の三角関係が相互作用を及ぼしながら同時並行で進展しているため、ここまで複雑な錯綜関係が生まれてしまった。このように物語を構造化すると、本作の主人公が雨野である理由がよく分かる。それは彼が2組の三角関係を結び付ける結節点の役割を果たしているからに他ならない。

錯綜関係の本質が2組の三角関係にあるとすれば、この物語の最終的な着地点はどこになるのか。普通に考えれば雨野×天道、上原×亜玖璃という当初の両想いカップルに戻って終わるのだと思う。それは天道さんが紛うことなくメインヒロインであるためだ。天道さんからゲーム部に誘われたことが物語の始まりであり、1巻を含めて3回も天道さんが表紙を飾っていることから、天道さんがメインヒロインであることに疑いの余地はない。メインヒロインと結ばれない物語は稀であることから、最終的には雨野×天道のカップリングが予想され、雨野が天道さんと結ばれる以上、必然的に上原×亜玖璃のカップリングも成立することになる。

しかし、上記の展開は構造的な欠陥を抱えている。それは雨野を中心とする三角関係、亜玖璃を中心とする三角関係が個別に解消されてしまう点である。ここまで錯綜関係を練り上げてきた物語のラストとしては明らかに違和感を覚える。2組の三角関係が有機的につながることで、ゲーマーズ最大の魅力である錯綜関係が生み出されてきた。だとすれば、錯綜関係が解消されるラストの展開としては雨野×亜玖璃のカップリング成立による錯綜関係の清算以外に考えられない。亜玖璃は確かにメインヒロインとは言えないが、雨野と同様に三角関係の中心にいるキーパーソンであり、構造的にはもう一人の主人公と言っても差し支えない存在である。錯綜関係の本質を考えれば、雨野×亜玖璃のカップリングこそ物語の着地点に相応しいと言える。

コメント

人気の投稿