2015年12月25日金曜日

電力比較サイトエネチェンジについて

電力比較サイト エネチェンジがなかなか面白い。契約メニューとアンペア数、毎月の電気料金、住所、世帯人数、オール電化住宅かどうか、電気を使うのは主に昼か夜か、これらの質問に答えると最適な電気料金のプランを提案してくれる。例えば夫婦二人暮らし、共働きで帰宅は夜10時過ぎみたいな家庭であれば、一般的な従量電灯から時間帯別電灯の契約への変更を勧められるといった具合である。ただし、このサイトが本領を発揮するのは2016年4月に控える電力の小売全面自由化以降である。どの電気料金のプランが適しているかだけではなく、どの電力会社のプランが適しているかも教えてくれるためだ。

昨日、新電力の本命である東京ガスが低圧向けの電気料金プランを発表した。東京電力の従量電灯に該当する「ずっとも電気」の契約は使用量の多い世帯にとってメリットのある契約である。ナショナル・ミニマム(国家が国民に保証する最低限の生活水準)と省エネの観点から、電気は使えば使う程に1kWh当たりの単価が高くなる仕組みとなっている。東京ガスのプランは1kWh当たりの単価の上昇を低めに抑えるもので、使用量の多い世帯を東京電力から奪おうとするものである。首都圏に住む使用量の多い世帯がエネチェンジで診断すると、恐らく東京電力から東京ガスへの乗り換えを勧められることだろう。ちなみにWebサービスだけでは不安という人は「でんきコンシェルジュ」というのに相談できるらしい。「でんきコンシェルジュ」というのは何だかセンスのない名前だと思うが、エネチェンジのサービス自体はこれから非常に需要の出てくるものだと思う。

電力会社もエネチェンジのようなWebサービスは既に開始している。東京電力のでんき家計簿、関西電力のはぴeみる電が有名で、膨大な顧客データに裏打ちされたサービスは電力会社の強みである。また、電力会社のコールセンターに電話をすれば最適な契約メニューや電気の使い方について相談することができる。しかし、電力会社が新電力への乗り換えを勧めるわけがないので、新電力への乗り換えを検討している人はエネチェンジの「でんきコンシェルジュ」に問い合わせるのかもしれない。エネチェンジが特定の電力会社と利害関係を持つようになれば問題であるが、中立的な立場を維持する限りは電力会社を選ぶ上で頼りになる存在である。

他にもエネチェンジのサイトには電気料金の節約に役立つ記事が掲載されている。電気料金が高くて悩んでいる人は電力会社を変更する前にこちらを読むべきかもしれない。例えば、冬季の大幅な電気料金上昇を防ぐため、エアコンや電気ストーブといった暖房機器の最適な使い方、電気の使用量を少しでも抑えるための工夫について書かれている。他にも電気製品、オール電化、太陽光発電、エネファームなどについて記事が掲載されており、なかなか充実している。エネチェンジのサイトを訪れる人は電気料金を少しでも安くしたいという人に違いないので、需要に合った記事を掲載しているわけである。

また、電力自由化について夢見がちな人も多いが、エネチェンジの経営陣はなかなか現実的な考え方をしているようである。東京電力の執行役員だった人が何故かエネチェンジの副社長をしており、元東京電力・執行役員がわかりやすく解説!知らなきゃ損する電力自由化という記事で電力自由化について解説している。電力事業は莫大な投資を必要とするため資本力のある大企業しか生き残れないと述べているが、全くその通りだと思う。新規参入組で生き残れるのはガス会社(東京ガス、大阪ガス)、石油会社(JX日鉱日石エネルギー、出光興産)、総合商社(三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅)、通信会社(ソフトバンク、KDDI、NTT)くらいだろう。小さな電力会社は発電能力を確保できず、ペナルティを受けて市場から撤退を迫られるかもしれない。そのときに困るのは消費者なので電力会社選びは慎重にというアドバイスには納得である。

東京電力の元執行役員がいることにも驚いたが、スタッフ紹介のページを見てさらに驚いた。何というかエリートしか載っていない。会長は電力自由化で先行するイギリスにおいて電力のビッグデータ解析などを行うシステム開発会社を設立した人で、社長はJPモルガン証券とグリーを経て会長と合流したという経歴の持ち主。もちろん外資系の会社などに勤めたことがないので分からないが、外資系出身というだけで優秀な人物のように見える。他のスタッフも若い感じだが、東京大学、京都大学、一橋大学といった一流大学の出身者ばかりである。2015年4月に設立されたばかりのスタートアップであるエネチェンジ、果たして電力自由化後の日本においてイノベーションを起こすことができるだろうか。

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