2015年12月11日金曜日

ヨーロッパのユニークな政党

ヨーロッパはユニークな政党が多くて面白い。今後のヨーロッパ情勢を左右するかもしれない主要国の政党を挙げてみた。

1.国民戦線(フランス)
反EU、移民排斥を掲げるフランスの極右政党。反EUを掲げているにも関わらず、2014年の欧州議会議員選挙ではフランスにおいて最多議席を獲得して話題となった。今月の地域圏議会選挙でもフランソワ・オランド率いる社会党、二コラ・サルコジ率いる共和党を抜いて第一党の地位を獲得している。イスラム国によるパリ同時多発テロの影響も大きいと思われるが、現在の党首マリーヌ・ル・ペンは穏健派として知られており、国民戦線は極右だけではなく幅広い層から支持を集めるようになっている。特にオランド大統領の自由主義的な政策が左派の社会党離れを引き起こしており、国民戦線はその受け皿となっているようである。フランス国民が国民戦線に政権を委ねる日も近いのではないかと思われる。先進国の中で最も人口問題に力を入れているフランスは2050年代にドイツの人口を超える見込みである。強大化するフランスに極右政党の組み合わせは危険な香りがする。ナチスドイツのユダヤ人排斥と同じようなことが繰り返されることはあるのだろうか。

2.同盟90/緑の党(ドイツ)
ドイツ五大政党の一角を担う環境政党。脱原子力、風力発電の促進といったドイツの環境政策はこの政党によって支えられていると言っても過言ではない。2015年のパーソン・オブ・ザ・イヤーに輝いたキリスト教民主同盟のアンゲラ・メルケルが首相に就くまで、社会民主党と連立政権を組んでいたこともある。日本でも2012年衆院選において日本未来の党という環境政党が立ち上げられたが、脱原発の世論を味方に付けることもできずに悲惨な結果に終わっている。やはり環境政党がこれだけ影響力を有しているドイツは珍しい国だと思う。もっとも電気料金の上昇や厳しい環境規制など、ドイツ産業界は緑の党によってかなり苦しめられているみたいである。環境と経済のバランスをどのようにとるか、日本の環境政策は先行するドイツを教訓にする必要がある。

3.スコットランド国民党(イギリス)
スコットランドの独立を目指す地域政党。イギリスは保守党と労働党による二大政党制で知られているが、2015年の下院選挙でスコットランド国民党は650議席中56議席を獲得して第三党に躍進した。この56議席は全てスコットランドで獲得したものであり、スコットランドに割り当てられた59議席のほぼ全てを獲得している。2014年9月のスコットランド独立をめぐる住民投票は僅差で反対派が勝利したが、敗れた独立派の思いが下院選挙での劇的な勝利につながったのかもしれない。得票率ではEU離脱を訴える独立党、かつて二大政党制の一翼を担っていた自由民主党の方が上回っていたが、小選挙区制というルールでは地域政党が圧倒的に有利である。今後スコットランド国民党はイギリス政界のキャスティングボードを握る存在となるかもしれない。

4.北部同盟(イタリア)
経済的に豊かなイタリア北部の自治拡大を訴える地域政党。イギリスのスコットランド国民党と異なり、独立ではなく連邦制の導入を目標としている。金融都市ミラノ、港湾都市ジェノヴァ、工業都市トリノといったイタリア有数の都市が密集するイタリア北部はイタリア経済の牽引役であり、産業に乏しくマフィアが跋扈するイタリア南部との格差は大きい。イタリア北部の人々は自分たちの経済的成功が南部の穴埋めに使われていることに怒りを感じており、北部同盟への支持は根強いものがある。同じような構図はスペインのカタルーニャ地方、ベルギーのフラマン人地域にも見られる。日本では大阪都構想と共通するものがあるかもしれない。もっとも日本は東京一極集中で、地域色の強い東北、関西、九州、沖縄であっても日本から独立しようという考えは皆無だろう。

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