2015年12月14日月曜日

SAOプログレッシブ4巻 感想

ソードアート・オンライン プログレッシブ (4) (電撃文庫)
川原礫
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2015-12-10)
売り上げランキング: 3,114
このライトノベルがすごい!の2016年版で作品部門2位に輝いたソードアート・オンラインの番外編。アインクラッド攻略を第1層から詳細に書き直すという試みで、第1層のフロアボス攻略後にキリトとアスナが別れていなかったという衝撃の展開から今回で4巻目。本編のアリシゼーション編は退屈すぎてロニエとティーゼが登場した辺りから読み進めていないが、プログレッシブはアインクラッド編と並ぶ面白さを維持し続けている。やはりソードアート・オンラインの面白さの本質はアインクラッドに凝縮されていると言える。アスナとの仲を深めながら、デスゲームとなったアインクラッドを攻略していく展開はやはり面白い。

3巻はダークエルフのヨフィリス子爵とキズメルの協力を得て、第4層のフロアボスを倒したところで終わった。第4層は水路がテーマの華やかなエリアで、ゴンドラも登場してヴェネチアのような雰囲気を醸し出していた。4巻の舞台となる第5層は遺跡がテーマのエリアで、第4層とは異なって暗く不気味な雰囲気となっている。ベータテストにおいてPK(Player Kill)が横行したフロアで、キリトはモルテとの決闘からPKを狙う殺人者がデスゲームとなったアインクラッドにも現れることを懸念する。対人戦に慣れないアスナは自らデュエルをキリトに申し出るが、キリトにレイピアを向けることに耐えられずにアスナはデュエルを続行できなくなってしまう。

第5層では絶景レストランでのディナータイム、神殿跡での宝探し、地下墓地の幽霊クエストなどを行うキリトとアスナ。デスゲームのはずなのに、相変わらずデートっぽいことをしている二人。情報屋アルゴと連絡が取れなくなったところから4巻のシリアス展開がスタート。アルゴを探しに地下墓地ダンジョンに一人で向かったキリトを追うアスナは落とし穴のトラップによって、ダンジョン最深部へと落下してしまう。運悪く主武器であるシバルリック・レイピアをモンスターに奪われ、絶体絶命の状況に陥るアスナであったが、偶然からDKBとALSの対立を目論む二人の男の会合を盗み聞きすることになる。一人はモルテ、もう一人はALSのジョーで、偶然にモンスターを倒したジョーによってシバルリック・レイピアを奪われてしまう。しかし、ここでキリトが颯爽と登場。機転を利かせたアスナがレイピアを取り戻し、絶体絶命の状況を抜け出す。

地下墓地ダンジョンを脱出したキリトとアスナは結局アルゴが無事であったことを知る。そしてモルテとジョーの会合から、ALSがDKBを出し抜いて単独で第5層フロアボスの攻略を狙っていることを知ったキリトとアスナはその理由を探ることにする。DKBとALSは新年を祝う合同パーティーを企画しており、企画の中心であるDKBのシヴァタとALSのリーテンから事情を聞き出す。ちなみにリーテンのハイクラス防具を作成した鍛冶屋の女性プレイヤーとはリズベットのことだと思われる。以前から鍛冶屋の女性プレイヤーについて触れられることがあり、リズベットは意外にもハイクラスの職人なのかもしれない。キリトのダークリパルサーを作成したのだから当然といえば当然ではあるが。今後アスナはリーテンを通じてリズベットと仲良くなるのかもしれない。

ALSが抜け駆けしてフロアボスを攻略しようとしているのは、第5層のフロアボスが今後の攻略を左右するレアアイテムをドロップするためであった。そのレアアイテムとはギルドフラッグであり、ギルドフラッグの半径15mにいるギルドメンバー全員に支援効果がかかるというものであった。攻略組の二大ギルドであるDKBとALSは勢力において拮抗しており、両ギルドが切磋琢磨することで攻略がスムーズに進んできた。しかし、今後はギルドフラッグを獲得したギルドが圧倒的な優位に立つことになり、もう片方のギルドは崩壊の危険さえある。ギルド崩壊によって攻略が遅延することを恐れたキリトはアスナと共にALSより先にフロアボスを攻略することを決意する。

フロアボスの攻略に協力したのはアルゴ、ネズハ、エギルのチーム4人、DKBのシヴァタとハフナー、ALSのリーテンとオコタンであった。久しぶりにフロアボス攻略シーンに長々とページが割かれたが、今回も死者を出すことなくフロアボスを攻略することに成功する。戦闘後、誰がギルドフラッグを入手したのか分からず疑心暗鬼に陥る一幕もあったが、キリトの機転によってALSのオコタンが名乗り出て、無事にギルドフラッグはキリトが預かることとなった。ラストはキリトとアスナが古城遺跡のテラスからパーティーの花火を見物しながら新年を迎えるところで終わるが、キリトはここで黒ポンチョの男と邂逅する。恐らく後のラフィン・コフィンのリーダーであるPoHであると思われ、PK集団がいよいよ蠢き始めてきたというところで続きは次巻となった。

今回はキリトとアスナの関係がこれまで以上に深まっており、アスナ視点のモノローグから既にキリトにかなり好意を寄せていることが分かった。第74層のフロアボスであるグリムアイズを倒してキリトとアスナは結婚を決意するが、第5層の段階で心情的にはそのレベルにまで達しているような気がする。ここから二人がどのように別れることになるのか展開は読めないが、ALSが壊滅する第25層が一つの転機となるかもしれない。もしかしたら今回登場したリーテンも第25層で死んでしまうのかも。ただし、第27層でキリトが加入していた月夜の黒猫団が壊滅するので、それまでにはアスナと別れていないと辻褄が合わないか…。第22層にキリトとアスナは後に家を購入するが、二人ともこの層で一緒に過ごすのは初めてのようだったので、二人が別れるのは結構早いのかもしれない。第9層まで続くエルフクエストの結末も一つの転機になりそう。アインクラッド本編で登場しないことから、キズメルは死亡フラグが立っているような気も…。

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